2018年3月19日、盲重複児・者のこれからを考える会ポコアポコを発足し、猛ダッシュで様々な活動に取り組みました。

希少な障害である盲重複の人たち。岐阜県には、視覚障がいと知的障がいを併せ有する人たちを対象とする施設が1つもありませんでした。2019年4月には入所予定者はたった2人という状態でしたが、2人がいるから、頑張ろう!と会員はじめ多くの支援者の方々のお陰で、発足から1年で生活介護事業所アンダンテを開所することができました。

 開所してからは、職員は初めてのことばかりで戸惑い、走り回る日々が続きました。けれども、利用者さんは、毎日が笑顔の連続。沢山おいしいご飯を食べ、体調不良で休むこともなく、元気に1年を過ごしてくれました。

 やりたいことを出し合い、話し合いで活動を決めていきました。近くの天然温泉にいったり、スーパーで飲みたい飲み物やお菓子を買ったり、ウォーキングで山歩きをしたり、カラオケに行ったりと、ここに紹介しきれない沢山の活動を体験することができました。そして、恒例の活動として週日課表にも位置づいてきました。

 働くことでお金をもうけよう!と利用者さん中心に作業も頑張りました。アンダンテクッキー作りや手織り作業はすっかり定着しました。地域の筋トレ教室にも参加し、販売を行う内に楽しみにしてくださる人も増えました。近郊でのバザーに参加して販売したり、PR活動を行ってきました。6月には利用者が3人になり、本当に嬉しかったです。

 11月のポコアポコ・アンダンテ祭りには150人ほどの人で、施設がいっぱいになりました。沢山のお店を出店してくださった保護者の皆様にも心から感謝しています。

 2019年、アンダンテ開設1周年を迎えると同時に社会福祉法人 長良福祉会に仲間入りし、アンダンテは再スタートを切ることになりました。安定した土台を築いて地域で根付いていくために、社会福祉法人長良福祉会の理想を胸に刻んで、歩き出せたことはとても幸運な出来事でした。長良福祉会の皆様にも心から御礼申し上げます。

 また、この4月からは、オレンジホームという居宅介護事業所も開所しました。岐阜県内に点在している遠方の方にもアンダンテを利用していただける準備が整いました。

 少しずつの小さな1歩から始めようと「ポコアポコ」という会の名前が付けられ、ゆっくり歩いていきましょうと「アンダンテ」という事業所が誕生しました。さらに仲間を増やして、かけがえのない人生が豊かなものになるよう、利用者さんを中心に支援する人の輪が広がっていくことを願っています。

                                アンダンテ・オレンジホーム担当理事:渡邉美輝子